「ECサイトの価格を毎日コピー&ペーストしている」「紙の申込書をExcelに手入力している」「毎回同じ定型文をキーボードで打ち込んでいる」——こうしたデータ入力作業に、1日何時間を費やしていますか?
データ入力は業務の根幹を担いながら、「繰り返し・単調・ミスが出やすい」という三拍子そろった課題を持ちます。その課題は業務の種類によってさまざまで、「何をどこから取り込むか」によって最適なツールが異なります。
本記事では、データ入力を自動化するツールを手法別に6選厳選して比較します。Webデータを自動収集してExcelに転記するweb自動入力ツール、フォーム・タイピングを自動化する自動タイピングツール、紙をデジタル化するAI-OCR、音声の文字起こしまで、無料から使えるツールを中心にご紹介します。
まず、Webデータの自動収集ツール(ツール①)で実際にどんなデータが取れるかをご覧ください。以下はOctoparse(オクトパース・オクトパス)でGoogleマップから収集した営業リストのサンプルデータです。
| 店名 | カテゴリ | 住所 | 電話番号 | 評価 | レビュー数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 〇〇ダイニング | イタリアン | 渋谷区渋谷1-1-1 | 03-XXXX-0001 | 4.3 | 287 |
| 〇〇ラーメン | ラーメン | 渋谷区道玄坂2-2-2 | 03-XXXX-0002 | 4.1 | 512 |
| 〇〇カフェ | カフェ | 渋谷区神南1-1-1 | 03-XXXX-0003 | 4.5 | 1,024 |
| 〇〇寿司 | 寿司 | 渋谷区宇田川町3-3-3 | 03-XXXX-0004 | 4.0 | 189 |
| 〇〇焼肉 | 焼肉 | 渋谷区円山町4-4-4 | 03-XXXX-0005 | 4.4 | 653 |
データ入力の自動化とは?6選を手法別に選ぶ理由
「データ入力の自動化ツール」は大きく4つの手法タイプに分かれます。間違った手法のツールを選ぶと「難しくて使えない」「逆に手間が増えた」という失敗につながります。まず「自分の業務のデータはどこから来るのか」を確認してください。
| データの入力元 | 適した手法 | 本記事で紹介するツール |
|---|---|---|
| Webサイト(EC・地図・求人・競合) | Web収集・転記自動化 | ① Octoparse |
| 特定フォーム・画面への繰り返し入力 | 自動タイピング・RPA | ② Power Automate Desktop |
| 紙・PDF・スキャン書類 | AI-OCR | ③ DX Suite ④ MS Document Intelligence |
| 音声・会議・録音ファイル | 音声文字起こし | ⑤ notta ⑥ RIMO Voice |
以下では各ツールの特徴・活用シナリオ・無料プランの有無を解説します。業務効率化ツールの全体像も合わせて参考にしてください。
【ツール①】Octoparse|WebデータをExcel・CSVに自動転記するweb自動入力ツール
Octoparse(オクトパース・オクトパス)は、世界600万人以上が利用するノーコードWebスクレイピングツールです。プログラミング不要で、クリック操作だけでWebサイトから必要なデータを自動抽出・構造化し、Excel / CSV / JSON / Googleスプレッドシートなどの形式で出力できます。
「EC・地図・求人サイトの情報を毎日手作業でコピーしている」という業務があれば、Octoparseはその作業を設定後は0秒で自動化します。コピペ転記ではなく「収集→整形→出力」が全自動で完結するため、データ入力ミスもゼロになります。
基本ワークフロー(3ステップ)
1. URLを入力 → 収集したいWebページのURLをOctoparseに貼り付け

2. データをクリックして選択 → 取得したい商品名・価格・評価などをクリック指定。AIがページ構造を自動解析し関連データをまとめて候補として提示

3. 実行・出力 → 「実行」ボタンで自動収集開始。完了後Excel/CSV/Google Sheetsに出力

テンプレートを使う場合はURLを貼るだけ。ステップ2の設定すら不要です。
コピペ vs Octoparse:実測タイム比較
| 収集タスク | 手動コピペ | Octoparse | 削減率 |
|---|---|---|---|
| Googleマップから店舗情報300件(名称・住所・評価・電話番号) | 約6〜8時間 | 約10〜15分 | 約97% |
| ECサイト商品100件(商品名・価格・評価・レビュー数) | 約2〜3時間 | 約5〜10分 | 約95% |
| 求人サイト500件分(企業名・給与・業種) | 約8〜10時間 | 約15〜25分 | 約97% |
フリープランの内容(クレジットカード不要)
| 機能 | フリープラン |
|---|---|
| 月間データエクスポート上限 | 50,000行 |
| テンプレート | 100以上・利用可能 |
| 出力フォーマット | Excel・CSV・JSON・HTML・Google Sheets |
| AI自動識別(URL貼るだけで解析) | ✅ 利用可能 |
| クレジットカード登録 | 不要 |
| クラウド自動スケジュール実行 | 有料プランのみ |
主要テンプレートと取得できるデータフィールド
📍 https://www.octoparse.jp/template/google-maps-store-listing-scraper
取得できるデータフィールド:店名 / 住所 / 電話番号 / 評価(★) / レビュー件数 / カテゴリ / 営業時間 / WebサイトURL
活用シナリオ:エリア内の競合店舗リスト一括作成・営業ターゲットのスコアリング・口コミ分析のベースデータ収集。詳しくは営業リストの自動作成事例もご覧ください。
🛒 https://www.octoparse.jp/template/amazon-jp-product-listings-scraper
取得できるデータフィールド:商品名 / 価格 / ASIN / 評価 / レビュー数 / カテゴリ / 出品者 / 商品URL
活用シナリオ:競合商品の価格・ランキング監視/市場調査データの定期収集。Googleスプレッドシートへの自動エクスポート連携を組み合わせることで、取得〜更新まで完全自動化できます。
その他、求人サイト(doda・ハローワーク)・食べログ・楽天・iタウンページなど主要サイトのテンプレートも100以上揃えています。まず試してみたい方はChrome拡張型の軽量スクレイパーから始める方法もあります。また、無料ツールを幅広く比較したい場合はコスト不要のWebスクレイピングツール比較記事もご参照ください。
⚠️ ご利用前の注意:Webスクレイピングを実施する際は、必ず対象サイトの利用規約とrobots.txtを確認し、自動収集が禁止・制限されているページへの使用は避けてください。スクレイピング実施前に確認すべき10の質問で合法的な使い方を事前に把握しておくことを推奨します。
【ツール②】Power Automate Desktop|フォーム・タイピングを自動化する自動タイピングツール(完全無料)
「毎回同じ住所や定型文を入力している」「申請フォームへの入力を何十回も繰り返している」——そうした作業に最適なのが自動タイピングツールです。

Microsoft製のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールで、Windows 10/11に標準搭載されているため追加費用ゼロで利用できます。ブラウザ・デスクトップアプリ上の操作を「録画」して自動化する仕組みで、手法①のOctoparseとは用途が異なります。Octoparseが「Webからデータを収集してExcelに出力する」のに対し、Power Automate Desktopは「PC上の特定の操作・入力を自動で繰り返す」ことに特化しています。
できること(例)
- Webフォームへの定型情報の自動入力・送信
- ExcelデータをWebシステムへ転記
- デスクトップアプリの操作(コピー・貼り付け・保存)の自動化
- 定期的なファイル整理・リネーム・移動
基本的な使い方
- スタートメニューで「Power Automate」と検索して起動
- 「新しいフロー」を作成
- 「レコーダー」で実際の画面操作を録画
- 録画した操作をフローとして保存・実行
プログラミング不要で始められますが、対象システムの画面レイアウトが変更されると動かなくなるケースがあるため、定型業務が固定されている場面で最も安定して効果を発揮します。
補足:ユーザー辞書も自動タイピングの有力手法
設定5分・コストゼロで始める最もシンプルな自動タイピング手法がユーザー辞書(テキスト展開)の活用です。WindowsのIMEやGoogle日本語入力で、よみがなに対して長い定型文を登録しておくことで、2〜3文字の入力から住所・署名・定型文を瞬時に展開できます。
単純な定型文には効果的ですが、Webページをまたぐ複雑な操作や大量データには対応できません。その場合はPower Automate Desktopが適しています。
【ツール③④】DX Suite・Microsoft Document Intelligence|紙・書類をデジタル化するAI-OCR
OCR(Optical Character Recognition)とは、紙文書・スキャン画像・PDFの文字を自動で読み取り、テキストデータに変換する技術です。AI技術との組み合わせにより、手書き文字・複雑な帳票・多様なフォーマットにも対応できるようになっています。「紙の請求書や申込書をExcelに手入力している」という業務に最適です。
ツール③ DX Suite|AI-OCR×RPA連携の定番
AI-OCRとRPAを組み合わせたデータ入力自動化ソリューションです。請求書・納品書・申込書など、業種を問わずあらゆる帳票の文字認識に対応し、RPAとの連携でシステムへの自動入力まで一気通貫で完結します。手書き文字・活字ともに高精度で読み取れる点が強みです。
向いている業務:大量の紙書類のデジタル化 / 請求書・領収書の経費精算自動化 / 申込書のデータベース登録

ツール④ Microsoft Document Intelligence|Azure連携・無料枠あり
MicrosoftのAzureが提供するAI-OCRサービスで、2025年以降、国内企業での採用が急増しています。請求書・領収書・名刺など事前学習済みモデルを利用でき、Azureアカウントがあれば月5,000ページまで無料枠で試用可能です。すでにMicrosoft 365環境を活用している企業には、Power AutomateやPower BIとの組み合わせでさらなる自動化が実現できます。
向いている業務:Microsoft環境を使っている企業の請求書・領収書デジタル化 / システム入力まで一気通貫で行いたい場合

【ツール⑤⑥】notta・RIMO Voice|音声・会議の自動文字起こし
商談・会議の録音を議事録に変換する作業も、音声認識AIによって自動化できます。日本語認識精度の向上により、ほぼリアルタイムで実用レベルの文字起こしが可能な時代になりました。
ツール⑤ notta|多言語対応・フリープラン月3時間
日本語を含む50言語以上に対応した音声文字起こしツールです。リアルタイム入力と事後アップロードの両方に対応し、Zoom・Google Meet・Teamsなどオンライン会議との連携、AI自動要約・議事録生成機能も備えています。フリープランで月3時間まで無料で利用できます。
向いている業務:商談・会議の議事録自動作成 / インタビュー・取材の文字起こし / 多言語会議のリアルタイム翻訳文字起こし

ツール⑥ RIMO Voice|日本語特化・話者分離機能
日本語に特化した高精度の音声文字起こし・会議録自動化ツールです。話者分離機能(誰が発言したかを自動判別)と会議録テンプレートに基づく自動整形・要約機能を搭載しており、社内会議・コールセンターの通話記録整理・多人数会議での発言記録に特に向いています。

データ入力 自動化ツール6選まとめ比較表
| # | ツール名 | 手法・用途 | 無料版 | 難易度 | コード不要 |
|---|---|---|---|---|---|
| ① | Octoparse | Web収集・転記→Excel/CSV出力 | ○(月5万行) | ★★☆ | ✅ |
| ② | Power Automate Desktop | 自動タイピング・フォーム入力・PC操作自動化 | ○(完全無料) | ★★☆ | ✅ |
| ③ | DX Suite | AI-OCR:帳票・請求書・手書き文書のデジタル化 | × | ★☆☆ | ✅ |
| ④ | MS Document Intelligence | AI-OCR:請求書・領収書・Azure連携のデジタル化 | △(月5,000p) | ★★☆ | 一部 |
| ⑤ | notta | 音声文字起こし:会議録・商談メモ自動作成 | ○(月3時間) | ★☆☆ | ✅ |
| ⑥ | RIMO Voice | 音声文字起こし:社内会議・コールセンター | △(要問合せ) | ★☆☆ | ✅ |
Octoparse × AI(MCP)|データ収集から分析まで一気通貫で自動化
Webデータ収集・転記の自動化を実現した後、「収集したデータをAIで分析したい」「自社のワークフローやシステムに組み込みたい」というニーズが増えています。
OctoparseはMCP(Model Context Protocol)に対応しており、Claude・ChatGPTなどのAIアシスタントと連携することで、データ収集→整形→分析→レポート作成までを一気通貫で自動化できます。
MCP連携の活用例
- 「競合サイトの最新価格を収集して自社価格との差分をレポートにまとめて」とAIに指示するだけで実行
- 求人情報を定期収集し、AIが業界別の給与水準トレンドを自動分析
- Googleマップのレビューを継続収集し、AIが評判・感情分析を自動生成
従来は「収集→手動加工→分析ツールへ貼り付け」という複数ステップが必要でしたが、MCP連携によって自然言語の指示ひとつで全工程が完結します。MCPの概念・設定はOctoparseとMCPについての解説記事、機能詳細はOctoparse MCPページ、実際の設定手順はMCP使用チュートリアルをご参照ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 無料で使えるデータ入力 自動化ツールはありますか?
はい。本記事で紹介した6選のうち、Octoparse(月5万行・100以上のテンプレートが永続無料・クレジットカード不要)とPower Automate Desktop(Windows標準搭載・完全無料)、notta(月3時間まで無料)は無料から始められます。Webデータ収集・転記の自動化を試したい場合はOctoparseのフリープランが最短の出発点です。
Q2. 「自動入力ツール」と「自動タイピングツール」の違いは何ですか?
自動タイピングツールは主にキーボード操作・フォームへの繰り返し入力を自動化するツール(Power Automate Desktopなど)を指します。一方、自動入力ツールはより広い概念で、Webからのデータ収集・転記(Octoparse)、AI-OCR(DX Suite)、音声認識(notta)なども含む「あらゆる入力自動化手段」全般を指すことがあります。本記事では両方の意味をカバーして6ツールを紹介しています。
Q3. Octoparseはプログラミング不要で使えますか?
はい、完全ノーコードです。URLをOctoparseに貼り付け、取得したいデータをクリックするだけで設定が完了します。テンプレートを使えばURLを貼るだけで即データ収集が始まります。スクレイピングに関するよくある誤解も解説しているので、始める前にご確認ください。
Q4. web自動入力ツールとは何ですか?OctoparseはWebフォームに自動入力できますか?
「web自動入力ツール」は大きく2つの意味で使われます。①WebサイトからデータをCSV・Excel等に自動収集・転記するツール(Octoparseなどのスクレイピングツール)と、②Webフォームに情報を自動で入力するツール(Power AutomateやChrome拡張のAutofillなど)です。OctoparseはWebサイトからデータを収集して出力するツールであり、フォームへの自動入力(②)を目的とする場合はPower Automate Desktopが適しています。
Q5. データ入力の自動化を始める際の注意点を教えてください。
まず「自分の業務でいちばん時間がかかっている入力作業は何か」「データの入力元はどこか」を特定してからツールを選ぶことが重要です。Webスクレイピングを使う場合は、対象サイトの利用規約・robots.txtを必ず事前確認し、禁止・制限されているページへの使用は避けてください。RPAは対象システムの画面変更で止まるケースがあるため、定期的なメンテナンスを前提に導入することを推奨します。
まとめ|手法別データ入力 自動化ツール6選の選び方
データ入力の自動化は、「何をどこから取り込むか」に合ったツールを選ぶことが成功の鍵です。
- ① Webデータを自動収集してExcelに転記したい → Octoparse(月5万行・100以上テンプレートが永続無料)
- ② フォームや定型タイピングを自動化したい → Power Automate Desktop(Windows標準・完全無料)
- ③ 紙・書類をデジタル化したい → DX Suite / Microsoft Document Intelligence
- ④⑤⑥ 会議・商談の議事録を自動作成したい → notta / RIMO Voice
まずは「自分の業務でいちばん時間がかかっている入力作業」を1つ特定し、そのカテゴリのツールから試してみましょう。Webデータの収集・転記を自動化したい方は、クレジットカード不要のOctoparseフリープランから始めるのが最短ルートです。
競合情報も営業リストも、ウェブデータをそのままExcel・CSV・Google Sheetsに出力
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