ビジネスにおけるデータ活用の重要性は日増しに高まっており、そのニーズに応える形でウェブデータを自動で抽出するウェブスクレイピングサービスが次々と登場しています。
しかし、その中で「どれを選べば良いかわからない」とお悩みの方も多いでしょう。ウェブスクレイピングサービスによって、特徴や機能、費用などが異なるため、目的や用途にあったサービスを選択することが大切です。
本記事では、数あるサービスを比較検討する際の明確な基準を設定し、「最適なウェブスクレイピングサービス」を見つける道筋を示します。この記事の最後までご覧いただくことで、あなたの要望に最もマッチするサービスを見極められますので、ぜひ参考にしてください。
スクレイピングプロバイダーを評価する際に考慮すべき要素
スクレイピングプロバイダーを選定する上で、考慮すべき要素は以下のとおりです。
- 機能性
- カスタマイズ性
- データ品質
- 安定した稼働
- サポート・メンテンナンス
続いて、それぞれの要素を詳しく解説します。
機能性
ウェブスクレイピングサービスは、ツールによって機能や特徴が異なります。具体的な目的や必要性に応じて、最適なツールを選びましょう。以下では、よく提供されるウェブスクレイピングツールの機能を紹介します。
- ブラウザ拡張:ウェブサイトをブラウザで閲覧する際に、その場でデータを取りだすための追加オプションです。
- デスクトップアプリケーション:使いやすい独立したアプリケーションで、スクレイピングの設定と動作を行えます。基本的にプログラムの知識がなくても使えます。
- スクレイピングAPI:他のウェブアプリケーションや作業手順に統合でき、データの取得機能を持つツールです。
- スクレイピングブラウザ:ウェブスクレイピング専用の使いやすい画面、または表示なしのブラウザです。
- スクレイピングIDE:開発者向けのツールで、データを取りだすためのスクリプトを簡単に作成・管理できます。
- スクレイピングSDK:さまざまなプログラム言語で使えるツール群で、提供される機能に直接コードからアクセスできます。
さらに、選択したツールに応じて、以下のような機能との組み合わせも可能です。
- ボット対策の回避:スクレイピング対策から逃れるための技術や方法のことです。自分がデータを集めていることを見つけられないようにできます。
- プロキシ統合:自分のネットワークのアドレスを隠し、匿名でデータを集めるための技術です。詳しくは、プロキシIPタイプに関する当社の詳細ガイドをご覧ください。
- JavaScriptレンダリング機能:ウェブサイトが表示される際に行われるプログラムの実行を可能にし、動的に生成される情報やブラウザが表示するページにアクセスする機能です。
- 自動データ変換:スクレイピングされたデータを事前処理、フォーマットを変換するなど、適切な形式に自動変換する機能です。
これらの機能は、データの取得作業をスムーズに、柔軟に、そして確実に進めるために非常に重要です。あなたの目標や必要性に合ったツールや機能を提供するサービスを選ぶことが大切です。
カスタマイズ性
良いサービスはカスタマイズ性に優れており、あらゆるウェブサイトからでも情報を引き出すことが可能です。ツールによって自由が制限されることはなく、抽出プロセスを自由に編集可能です。
そのため、一部のウェブサイトやシナリオに限定されるものではなく、柔軟性の高いサービスを選びましょう。なぜならウェブサイトは常に更新され、構造が変わるためです。選択したプロバイダーが現在のニーズに合っていたとしても、将来的にニーズを満たさなくなる可能性があります。
その際にはスイッチングコスト(切替費用)が掛かるため、将来を見越して決定することをおすすめします。例えば、現在はあまり重要ではない機能だとしても、未来には重要になる可能性のある点も考慮しましょう。
価格設定
ウェブスクレイピングプロバイダーによって、イニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(毎月の利用料)が異なります。また、ツールによっては、フリーミアムプランを導入しているものもあり、一定の機能までは無料で利用できます。
- 無料プラン:機能や機能が制限されており、小規模な抽出ニーズやトライアル利用に適しています。
- フリーミアムプラン:無料と有料機能の組み合わせたプランです。基本的な機能は無料で、特別な機能やサポートには費用が発生します。
- Pay As You Goプラン:実際に使用した分だけ費用が発生する従量課金型のプランです。一般的には、取得するデータの量やリクエストの数に基づいて料金が決まります。
- サブスクリプションプラン:一定の機能セットに対して固定の月間または年間料金を支払う定額制プランです。サブスクリプションレベルは通常、リクエストの数やデータの利用量によって決まります。
- エンタープライズプラン:大規模なデータ抽出に特化した、企業向けのカスタム料金プランです。通常、専門スタッフによるサポートサービスも含まれています。
プランを決定する際は、コストに対して得られる価値のバランスを見て検討してください。適切なプランを決定するには、抽出するデータ量、必要な機能、サポートなどのオプションを検討する必要があります。また、追加料金やサポート料などの隠れたコストが発生する場合もあります。
はじめから有料プランを契約するのではなく、まずは無料トライアルでツールの使用感を試し、そのツールが要求を満たすものであるか確認することがおすすめです。
また、サービスに不満があった場合は返金保証を受けられる場合もあるため、あらかじめ利用規約や返金ポリシーは必ず確認しましょう。
データ品質
スクレイピングで得られたデータは、市場調査、競合分析、価格策定など、多くの意思決定プロセスやビジネス戦略の土台となります。低品質なデータは、誤った洞察や不正確な結論を引き起こす可能性があり、かえってビジネスに悪影響を及ぼします。
そのため、データ品質は極めて重要な要素です。高品質なデータの提供を保証するプロバイダーは、データの検証、クリーニング、およびフォーマット変換の機能が含まれ、取得データのエラーや関連性のない情報を除外します。
スクレイピングツールを選定する際は、あらかじめプロバイダーの実績とデータ品質の評価を検証し、高品質なデータを提供していることを示す根拠や実際に活用している企業を調査しましょう。
また、データ抽出プロセスの状態を評価するために、プロバイダーに対しサンプルデータセットを要求することも可能です。
信頼性と安定性
信頼性の高いウェブスクレイピングサービスは、安定した稼働を担保し、システムエラーなどの不具合が抑制されます。安定した稼働を保つには、ダウンタイムを最小限に抑えるための堅牢なインフラストラクチャや、最先端のハートビート監視技術が必要です。
ウェブスクレイピングツールのパフォーマンスを評価するために、本導入前には必ず無料トライアルを利用し、各種テストを実施しましょう。
その際、考慮すべき要素としては、接続速度、応答時間、APIやプロキシの成功率、スケーラビリティが挙げられます。加えて、プロバイダーが異なるレベルのトラフィックを効率的に処理できるかどうかも確認しましょう。
サポートとメンテナンス
専門スタッフによるサポート体制があることも重要です。通常であれば、ツール操作や各種設定に関するガイダンスを提供したり、データ取得の過程で発生したトラブルの解決をサポートしてくれます。ただし、対応時間や休日など、いつからいつまでサポートが受けられるか確認しましょう。
サポートには、メールやチャットなどのオペレーター対応のほか、包括的なドキュメントとヘルプページの提供も含まれます。とりわけデータスクレイピングを初めて扱う場合は、トレーニングやオンボーディングのサポートを提供しているプロバイダーを選ぶと良いでしょう。
また、ウェブスクレイピングツールでは機能アップデートやバグ修正が行われます。最良のスクレイピングサービスは、定期的なバージョンアップを繰り返し、常に最新かつ安全な状態を維持しています。
法的および倫理基準の遵守
ウェブスクレイピングツールの利用条件や利用規約を確認し、法的および倫理的なガイドラインを遵守しているか確認しましょう。中でも「データプライバシー」は非常に重要です。データ保護法の遵守やプロバイダーが具体的にどのような措置を講じているか確認してください。
また、会社が知的財産権をどの程度尊重しているか、著作権や商標を尊重し、コンテンツ所有者の権利侵害に反していないかも確認が必要です。これには倫理的な観点も重要になってきます。
優れたウェブスクレイピングプロバイダーは、許諾なしに機密情報や個人情報を取得することはありません。そのため、ユーザーレビューや過去のコンプライアンス違反歴など倫理的な問題がないか調査しましょう。
ウェブスクレイピングサービスの選択時に避けるべき5つのタブー
最適なスクレイピングサービスを選択する上で、特に避けるべきことがあります。これらをあらかじめ念頭に置くことで、導入後の失敗リスクを下げることができます。
- 無料サービスを盲信する:品質よりもコストを優先することで、かえって悪い結果を生む可能性があります。例えば、コンテンツ所有者の権利侵害や著作権違反など、法的なトラブルに巻き込まれることがありますので注意しましょう。
- 顧客のレビューを無視する:実際にサービスを利用したユーザーの声には耳を傾けましょう。レビューを通じて、重大な欠陥を知ることもあります。
- 質問をためらう:プランを検討する際は、知ったかぶりをしたり、質問をためらったりせずに、積極的に質問しましょう。得られる情報は全て取得する意識が大切です。
- パフォーマンス評価を軽視する:ウェブスクレイピングツールの機能やコストを比較検討せずに選ぶことは大きなリスクを伴います。いくら機能豊富でも自社で使わない機能ばかりであれば無駄なコストとなります。あくまでも自社基準で比較検討することが大切です。
- 嫌なサービスに固執する:プロバイダーが信頼できないと感じた場合や、使い勝手が悪いと感じた場合は他の解決策を模索しましょう。嫌なサービスを使い続ける必要はありません。
ウェブスクレイピングサービスならOctoparseがおすすめの理由
ここまでウェブスクレイピングツールの選び方を紹介しましたが、「ウェブスクレイピングツールとして実績があり、信頼性のあるツールを導入したい」という場合は、Octoparse(オクトパス)がおすすめです。Octoparseは、スクレイピング初心者から中級者まで幅広いユーザーを対象にしたウェブスクレイピングツールです。
具体的には次のような特徴があります。
- 自動識別機能とテンプレート提供:自動的にページの要素を識別しスクレイピングタスク作成を効率化します。さらに、スクレイピングテンプレートを数百種類以上提供しており、わずかな操作でけでデータ抽出を実現します。
- クラウド収集機能:大規模なデータ収集プロジェクトにも対応可能な「クラウド収集機能」を搭載しています。
- API接続と定期的な収集:APIを通じて他のシステムと連携し、定期的なデータ収集を自動化することが可能です。収集したデータは連携したシステムに自動反映されます。
- 多様なデータエクスポート:スクレイピングしたデータは、ExcelやGoogleスプレッドシート、csvなどにエクスポートできます。例えば、営業リスト作成や価格一覧表の作成もわずか数分で完了できます。
- IPネットワークプール:様々な国に分散したIPネットワークプールを有し、スクレイピング時の防御機能が強化され、フィンガープリントの自動回避、キャプチャ解決、反スクレイピング回避が自動化されています。
- 日本語専門のサポート提供:Octoparseは海外発のツールですが日本語サポートも実施しています。また、初心者でも安心して利用できるよう、充実したトレーニングと日本語のヘルプページを提供しています。
このように、Octoparseはウェブスクレイピングに求められる機能を豊富に備えているため、ウェブスクレイピングツールとして高いシェアを誇ります。
また、Octoparseでは倫理を重視しプライバシー法も遵守していますので、最適なウェブスクレイピングサービスプロバイダーのひとつと言えるでしょう。
まとめ
本記事では、「最適なウェブスクレイピングサービスの選び方」として、特に評価すべきポイントやあらかじめ念頭におくべき禁止事項をお伝えしました。
インターネット検索をすれば、ウェブスクレイピングのプロバイダーが数多く見つかるでしょう。しかし、最終的に導入するのは1つですし、各ツールを一つひとつ細かく調査することも現実的には不可能です。
そのため、あらかじめ導入する目的や用途、どんな機能を使いたいかを含めて検討した上で、いくつか候補をピックアップし、その中で比較検討を進めていくと良いでしょう。