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Web APIとは?データ取得の仕組みから活用事例まで詳しく解説

約7分で読めます

Web APIは、現代のデジタル世界において不可欠な技術の一つです。それは、異なるソフトウェア間でデータを共有し、機能を統合するための手段を提供します。この技術により、開発者は複雑な機能をゼロから構築することなく、既存のサービスを活用して新しいアプリケーションを迅速に開発できます。

本記事では、Web APIの基本や仕組み、Web APIのメリットとデメリット、さらにデータを取得する際の注意事項まで、初心者の方でもわかりやすく解説していきます。最後までご覧頂くことで、Web APIの基本的なことは一通り理解できますので、ぜひ参考にしてください。

Web APIとは

Web API(Web Application Programming Interface)は、異なるソフトウェア間で情報を共有したり、機能を利用したりするための仕組みです。具体的には、HTTP通信を使用して、Webサービスのデータや機能を外部のアプリケーションやプログラムからアクセス可能にするインターフェースのことを指します。

例えば、X(Twitter)やAmazonのようなWebサービスは、自社のデータや機能を外部に公開するためのAPIを提供しており、これにより開発者はこれらのサービスのデータを自分のアプリケーションで利用したり、新たなサービスを開発したりすることができます。

Web APIの利用は、サービスから提供されるデータを加工したり、複数のAPIを組み合わせて新しいアプリケーションを作成したりすることを可能にします。このように、Web APIはデータの取得や機能の利用を簡単にし、開発の効率化や新しいサービスの創出を促進します。

Web APIの探し方

Web APIを探す方法はいくつかありますが、最も効果的な方法の一つは、特定のサービスに関連する公式ドキュメントを探すことです。例えば、GitHubのAPIを利用したい場合は、単純に「GitHub API」と検索エンジンで検索することで、公式のAPIドキュメントへのリンクを見つけることができます。公式ドキュメントは、APIの使い方、利用可能なエンドポイント、必要な認証方法など、APIを利用する上で必要なすべての情報を提供しています。

また、一般公開されているAPIの一覧を提供するウェブサイトもあります。これらのサイトは、さまざまなサービスのAPIをカテゴリ別にまとめており、新しいAPIを発見したり、特定の機能を提供するAPIを探したりするのに便利です。しかし、これらのサイトで提供される情報は常に最新ではない可能性があるため、最終的には公式ドキュメントを確認することが重要です。

APIが公式に提供されていない場合、データを取得するための最後の手段としてスクレイピングが考えられますが、これは推奨されません。スクレイピングは、WebサービスのHTML構造が変更された場合にすぐに機能しなくなる可能性があり、また、不正アクセスとみなされてサービスからBANされるリスクもあります。したがって、可能であれば常に公式のAPIを利用することが望ましいです。

Web APIの仕組み

Web APIの仕組みを理解するためには、まずHTTP通信の基本を把握することが重要です。Web APIは、インターネット上でデータや機能を提供するサービスと、それを利用するクライアントアプリケーションとの間で、HTTPプロトコルを使用して通信を行います。このプロセスは、私たちがWebブラウザを使用してWebページを閲覧する際の通信と非常に似ていますが、Web APIの場合は、主にプログラム同士がデータをやり取りするために使用されます。

HTTPリクエストとレスポンス

HTTPリクエスト: クライアント(利用者側のプログラム)がサーバーに対して行う要求です。リクエストには、APIエンドポイント(アクセス先のURL)、APIキー(認証用のキー)、必要なデータや操作を指定するためのパラメータなどが含まれます。HTTPメソッド(GET、POST、PUT、DELETEなど)を使用して、どのような操作をサーバーに要求するかを明確にします。

HTTPレスポンス: サーバーがクライアントのリクエストに対して返す応答です。レスポンスには、ステータスコード(リクエストが成功したかどうかを示す数字コード)、レスポンスボディ(要求されたデータや処理結果を含む本文)、レスポンスヘッダ(追加情報を含む)が含まれます。多くの場合、レスポンスボディはJSON形式でデータが返されます。

Web APIの活用

Web APIを活用することで、異なるアプリケーション間で機能やデータを共有することが可能になります。例えば、ソーシャルメディアの投稿を他のプラットフォームで共有したり、天気予報サービスから最新の天気情報を取得してアプリケーションに表示したりすることができます。このように、Web APIはソフトウェア開発において非常に強力なツールとなり、新しいサービスやアプリケーションの開発を加速させます。

Web APIのメリットとデメリット

Web APIは、現代のソフトウェア開発において欠かせない要素となっています。その利用は、開発の効率化から新しいビジネスモデルの創出まで、多岐にわたるメリットを提供します。しかし、その一方で、利用にあたってはいくつかのデメリットや注意点も存在します。ここでは、Web APIの利用がもたらす主なメリットとデメリットについて、初心者にもわかりやすく解説します。

Web APIのメリット

Web APIを利用することによるメリットは多岐にわたります。特に、開発の効率化、セキュリティの向上、そして最新情報の容易な取得が主な利点として挙げられます。

  • 開発の効率化:既存のAPIを利用することで、ゼロから機能を開発する必要がなくなり、開発時間とコストを削減できます。
  • セキュリティの向上:信頼できるサービスの認証機能を利用することで、アプリケーションのセキュリティレベルを高めることができます。
  • 最新情報の容易な取得:APIを通じて常に最新のデータや情報を取得できるため、アプリケーションを最新の状態に保つことが容易になります。

Web APIのデメリット

Web APIの利用には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解し、適切に対処することが重要です。

  • 提供の終了や変更のリスク:APIの提供が突然終了したり、仕様が変更されたりすると、依存するアプリケーションに大きな影響を与える可能性があります。
  • 不具合の対応:APIの不具合やサービス側の問題が発生した場合、自力で解決することが難しく、サービス提供者の対応を待つ必要があります。
  • 費用の発生:無料で提供されているAPIも多いですが、利用量が増えると費用が発生する場合があります。また、有料のAPIを利用する場合は、コストがかかります。

Web APIを扱うための環境

Web APIを利用するためには、適切な環境の準備が必要です。基本的に、Web APIはHTTPプロトコルを使用してデータのやり取りを行うため、HTTP通信が可能な環境であれば、ブラウザだけでなく、さまざまなプログラミング言語やツールを使用してアクセスすることができます。以下は、Web APIを扱うために準備すべき主な環境です。

HTTP通信が可能な環境

  • ブラウザ:ブラウザを使用したWeb APIの利用は、最も手軽な方法の一つです。JavaScriptを使用してAjax通信を行うことで、Web APIからデータを取得したり、送信したりすることができます。
  • コマンドラインツール:curlやwgetのようなコマンドラインツールを使用して、ターミナルやコマンドプロンプトから直接HTTPリクエストを送信することができます。これは、APIのテストや簡単なデータ取得に便利です。
  • プログラミング言語:Python、Ruby、JavaScript(Node.js)などのプログラミング言語を使用して、Web APIにアクセスすることができます。これらの言語にはHTTPリクエストを簡単に扱うためのライブラリが豊富に用意されています。

開発ツール

  • Postman: Web APIのテストやデバッグに特化したGUIツールです。リクエストの作成、送信、レスポンスの確認を直感的に行うことができ、APIの開発やテストに非常に便利です。
  • SwaggerやOpenAPI:APIの仕様を記述し、ドキュメント化するためのツールです。APIの構造を明確にし、開発者間での共有やAPIのテストを容易にします。

ライブラリやフレームワーク

  • axios:JavaScriptで書かれたHTTPクライアントライブラリで、ブラウザやNode.js環境で使用することができます。PromiseベースのAPIを提供し、HTTPリクエストの送受信を簡単に行うことができます。
  • requests:Pythonで使用されるHTTPライブラリで、シンプルなAPIを通じてHTTPリクエストの送受信を行うことができます。

企業が公開しているWeb API

多くの企業が様々な目的でWeb APIを公開しており、これらのAPIを利用することで、企業が提供するサービスやデータを自分のアプリケーションやウェブサイトで活用することができます。以下は、いくつかの企業が公開しているWeb APIの例です。

Web API詳細
楽天トラベルAPI楽天トラベルが提供する宿泊施設検索や予約情報の取得などを行うことが可能
Instagram Graph APIInstagramのデータを利用して、Instagramのユーザープロフィールの取得やメディアの投稿などを行うことが可能
OpenWeatherMap API世界中の天気情報を取得することができるAPIです。現在の天気や予報など、様々な天気データにアクセスすることが可能
e-Stat API日本の政府統計の総合窓口であるe-Statが提供する、統計データの検索や取得を行うことが可能

これらのAPIを利用することで、既存のサービスやデータを自分のプロジェクトに組み込むことができ、新たな価値を提供するアプリケーションやサービスの開発が可能になります。APIの利用方法や仕様は、各企業が公開しているドキュメントを参照してください。

Web APIの活用事例

一般的にWeb APIは様々なシナリオで利用されています。以下に、典型的な活用事例をいくつか紹介します。

第三者サービスとの統合

企業はWeb APIを利用して、自社のシステムを第三者のサービスと統合します。例えば、電子商取引サイトが支払いゲートウェイのWeb APIを使用して支払いを安全に処理する場合などです。

モバイルアプリ開発

モバイルアプリは、インターネットからデータを取得するために頻繁にWeb APIにアクセスします。例としては、ソーシャルメディアアプリがユーザーデータを取得したり、ニュースアプリが最新の記事を取得したりする場合があります。

マッシュアップの作成

開発者は、複数のソースやサービスからのデータや機能を組み合わせてマッシュアップを作成するためにWeb APIを利用します。旅行アプリが天気API、ホテル予約API、フライト情報APIのデータを組み合わせて、ユーザーに包括的な旅行情報を提供する例がこれにあたります。

タスクの自動化

Web APIは、タスクやプロセスを自動化するために使用されます。例えば、企業が電子商取引プラットフォームと会計ソフトウェア間の販売データの同期を自動化するためにWeb APIを使用する場合があります。

データ分析と可視化

Web APIは、分析のために大量のデータセットにアクセスする際に使用され、その後、様々な形式で可視化されます。例としては、研究目的で公共の政府データにアクセスするためのAPIの利用や、情報を可視化するための利用があります。

APIを通してデータを取得する際の注意事項

Web APIを活用する際には、いくつかの重要な注意点があります。次に紹介する注意点を遵守することで、Web APIを安全かつ効率的に利用し、アプリケーションの機能を拡張することができますので、参考にしてください。

APIキーの保護

多くのWeb APIでは、APIキーを使用して認証を行います。このAPIキーは、不正利用を防ぐために厳重に保護する必要があります。公開された場所にキーを保存したり、ソースコード内にハードコーディング(ソースコードへ直接記述)したりすることは避けてください。

利用制限の確認

多くのAPIには、1日あたりのリクエスト数や同時接続数などの利用制限が設けられています。これらの制限を超えると、APIの利用が一時的に停止されることがあるため、事前に確認し、適切に対応する必要があります。

データの取り扱い

取得したデータの利用に関しては、API提供者の利用規約やデータ保護に関する法律を遵守する必要があります。特に個人情報を含むデータを扱う場合は、プライバシーポリシーに注意し、適切な保護措置を講じることが重要です。

エラーハンドリング

APIからのレスポンスには、成功した場合だけでなく、エラーが発生した場合の情報も含まれています。エラーコードやメッセージを適切に処理し、問題が発生した際には適切な対応ができるように準備しておくことが重要です。

パフォーマンスと最適化

APIリクエストはネットワークを介して行われるため、アプリケーションのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。不要なリクエストを避け、キャッシングなどの技術を利用して効率的にデータを取得することが推奨されます。

APIの変更に対応する

API提供者は時折、APIの仕様を更新することがあります。これにより、既存のAPI利用方法が利用できなくなることがありますので、API提供者からのアナウンスに注意を払い、必要に応じてアプリケーションを更新する必要があります。

まとめ

Web APIは、異なるアプリケーション間でデータや機能を共有する際に役立つ技術です。APIにより、開発者は新しいアプリケーションを迅速に構築することや、既存サービスに新たな価値を加えることが可能です。

一方、Web APIはメリットだけではなく、デメリットや取得時の注意点も存在します。本記事で紹介した内容を通じて、Web APIの概要とその活用の幅広さを理解いただき、みなさんのビジネス成長のきっかけになれば幸いです。

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