画像スクレイピングとは、Webサイト上の画像URLや画像ファイルを自動で抽出・保存する方法です。商品ページやギャラリーが複数ページに分かれている場合、1枚ずつ右クリックして保存するよりも、収集処理を自動化したほうが作業時間を抑えられます。
本記事では、ノーコードのWebスクレイピングツール「Octoparse(オクトパース・オクトパス)」を使い、画像URLの抽出から画像ファイルの一括保存までを設定する方法を解説します。ページネーション、無限スクロール、遅延読み込み、縮小画像しか取得できない場合など、画像収集で起こりやすい問題の確認方法もまとめました。
なお、数枚だけ保存したい場合や、ブラウザ拡張機能を含めて方法を比較したい場合は、Webページ内の画像を一括保存する方法の比較記事をご覧ください。本記事は、複数ページから画像と関連データを継続的に取得したい方に向けたOctoparseの実践ガイドです。
画像スクレイピングとは?
WebページのHTMLなどから画像の参照先を検出し、画像URLまたは画像ファイルとして取得します。一般的なWebスクレイピングが価格、商品名、レビューなどの文字情報を対象にするのに対し、画像収集では画像の参照情報やファイルを主な対象にします。
画像URLの抽出と画像ファイルの保存は同じではありません。画像URLは表計算ソフトやデータベースで参照しやすく、画像ファイルはオフライン保管、画像分類、社内の商品マスター作成などに向いています。URLに有効期限が設定されているサイトでは、収集時に画像ファイルを保存しておく必要があります。
Octoparseで画像をスクレイピングすると何ができる?
Octoparseでは、プログラムを書かずに画像の取得範囲と巡回方法を設定できます。特に、画像だけでなく商品名や価格なども同じ行にまとめたい場合に便利です。
- ページ内にある複数の画像URLをまとめて抽出する
- 画像ファイルをローカルフォルダへ保存する
- 商品名、価格、SKU、掲載日時などを画像と同時に取得する
- ページネーションをたどり、複数ページを自動巡回する
- 無限スクロールや「もっと見る」で後から表示される画像を読み込む
- 同じ条件で画像収集を繰り返し実行する
一方、静的な1ページから数枚だけ保存するなら、ブラウザの標準機能や拡張機能のほうが手軽です。Chrome拡張機能を比較したい方は、画像を一括取得できるChrome拡張機能の比較記事を参照してください。
OctoparseでWebサイトの画像を一括保存する方法
ここからは、Octoparseで画像取得タスクを作成する流れを説明します。サイトによってHTML構造や画像の読み込み方法が異なるため、最初から全件を実行せず、1ページでプレビューを確認してから対象範囲を広げるのがポイントです。
Step 1|保存したいWebページを開く
Octoparseを起動し、画像を取得したい公開ページのURLを入力してページを開きます。JavaScriptで内容が表示されるサイトでは、画像と商品情報が揃うまで待ってから次へ進みます。ログインが必要なページでは、アクセス権限とサイトの利用規約を事前に確認してください。

Step 2|画像を選択して抽出対象を指定する
ページ上で対象画像を1枚クリックし、操作提案から類似する画像要素を選択します。商品一覧の場合は、各商品カードの画像が同じループ内で選ばれているか確認します。ロゴ、アイコン、バナーまで選択されたときは、対象範囲を商品一覧のコンテナ内に絞り込みます。

画像URLをデータとして利用する場合は、画像のURLに該当するフィールドを選びます。ファイル自体を保存したい場合は、利用中のOctoparse画面で画像ファイルのダウンロード設定を確認してください。画面表記や利用できる項目はバージョンによって異なる場合があります。

Step 3|画像と関連データを同じ単位で選択する
業務で画像を収集する場合、画像だけでは後から用途を判別できないことがあります。商品名、商品ID、価格、カテゴリ、掲載日時なども同じ商品カードから選び、1件の画像に対応する関連情報が同じ行へ入るように設定します。
プレビューで「画像Aに商品Bの名前が付いている」といったずれが見つかった場合は、画像と文字フィールドのループ階層が一致していません。個別フィールドを追加する前に、1つの商品カードを繰り返し単位として認識できているか確認しましょう。
Step 4|ページネーションや無限スクロールを設定する
複数ページの画像を取得する場合は、「次へ」ボタンをクリックするページネーションをワークフローに追加します。自動検出したボタンが正しくない場合は、実際の「次へ」ボタンを再選択し、少なくとも2ページ目へ遷移できることをプレビューで確認します。

無限スクロールや「もっと見る」形式のページでは、ページを開くステップにスクロール操作またはボタンクリックを設定します。スクロール間隔が短すぎると画像の読み込みが追いつかないため、画像数を確認しながら待機時間と回数を調整してください。詳しい考え方はOctoparseヘルプセンターの最新ガイドも確認してください。

Step 5|取得結果をプレビューする
タスクを実行する前に、データプレビューで取得結果を確認します。「URLが入った」だけで完了と判断せず、次の項目を確認することが重要です。
- 取得件数がページ上の商品数と大きくずれていないか
- 同じ画像URLが重複していないか
- ロゴやアイコンが混ざっていないか
- 画像と商品名などの関連フィールドが対応しているか
- サムネイルではなく必要な解像度の画像を取得できているか
- 2ページ目以降やスクロール後の画像も含まれているか

Step 6|画像URLまたは画像ファイルを保存する
確認後にタスクを実行し、用途に応じて画像URLまたは画像ファイルを保存します。画像URLはCSVやExcelなどの構造化データと一緒に管理しやすく、画像ファイルはオフライン保管や画像解析に適しています。
画像URLだけを出力した場合、Microsoft 365やGoogleスプレッドシートのIMAGE関数を使って表の中に画像を表示できます。ただし、これは画像ファイルを永続的に保存する方法ではありません。署名付きURLや期限付きURLでは後から表示できなくなる可能性があるため、必要に応じて収集時にファイルを保存してください。
画像を取得できないときはどう対処する?
画像の取得漏れが起きる場合、原因は読み込み方法、選択範囲、ページ遷移、URL仕様のいずれかに分けて確認できます。まず少数のページで症状を再現し、設定を1つずつ見直しましょう。
| 症状 | 主な原因 | 確認・対処方法 |
|---|---|---|
| 一部の画像が取得できない | 遅延読み込みが完了していない | スクロールと待機時間を追加し、表示後に抽出する |
| 縮小画像しか取得できない | サムネイルURLを選択している | リンク先、詳細ページ、srcsetなどに原画像候補がないか確認する |
| 画像フィールドが空になる | JavaScriptで後からURLが生成される | ページ読み込み後の待機時間を増やして再選択する |
| 1ページ目しか取得できない | ページネーションがループに入っていない | 「次へ」ボタンを再指定し、2ページ目への遷移をテストする |
| 無限スクロールが途中で止まる | スクロール回数または待機時間が不足している | 一度に増やしすぎず、取得件数を見ながら段階的に調整する |
| ロゴやアイコンが大量に混ざる | 選択範囲がページ全体になっている | 商品一覧など対象コンテナ内の画像だけに絞る |
| 画像URLが後から開けない | URLに署名や有効期限がある | 権限と規約を確認したうえで、取得時に画像ファイルを保存する |
| 画像と商品名がずれる | フィールドのループ階層が異なる | 同じ商品カード内で画像と関連項目を選択し直す |
| 背景画像が検出されない | img要素ではなくCSSで設定されている | ページ構造を確認し、対象属性やリソースを個別に検証する |
アクセス制限が発生した場合は、取得頻度や対象範囲を見直してください。アクセス制御を回避するのではなく、対象サイトの利用規約、robots.txt、アクセス権限を確認し、サーバーへ過度な負荷を与えない運用に変更することが前提です。
画像URLと画像ファイルはどう使い分ける?
| 目的 | おすすめの保存形式 | 理由 |
|---|---|---|
| 商品データベースを作る | 画像URL+商品情報 | 商品ID、価格、URLを同じ行で管理しやすい |
| ExcelやGoogleスプレッドシートで確認する | 画像URL | IMAGE関数などで一覧表示できる |
| オフラインで保管する | 画像ファイル | 元ページやURLの変更による影響を受けにくい |
| 期限付きURLを扱う | 画像ファイル | URL失効後に表示できなくなるリスクを抑えられる |
| ページの変化を定期監視する | 画像URL+取得日時+関連情報 | 前回結果との比較条件を残せる |
| 画像分類やAI分析へ渡す | 画像ファイル+一意のID | 画像とメタデータの対応関係を維持できる |
迷った場合は、画像URLと商品情報を構造化データとして残し、必要な画像ファイルも同時に保存します。ファイル名には商品IDなどの一意な値を使うと、収集後の整理や重複確認がしやすくなります。
画像スクレイピングを行う際の注意点は?
Web上で表示できる画像であっても、自由に収集・再利用できるとは限りません。画像スクレイピングを始める前に、対象サイトの利用規約、アクセス権限、画像の著作権、利用目的を確認してください。
- 利用規約:自動取得やデータの二次利用に関する条件を確認する
- 著作権:収集と公開・転載・商用利用は別の問題として確認する
- robots.txt:クローラーへの指示を確認する。ただし、著作権上の許諾を示すものではない
- アクセス負荷:短時間に大量のリクエストを送らず、待機時間と対象範囲を調整する
- アクセス権限:ログイン制限、購入者限定、非公開領域など、権限のない情報を取得しない
- 個人情報:必要性、保存期間、共有範囲を確認し、不要なデータを収集しない
特に、SNS投稿や有料素材サイトの画像を第三者へ再配布したり、商品画像を許可なく広告へ転用したりすると、規約や権利を侵害する可能性があります。判断が難しい場合は、サイト運営者や専門家へ確認してください。
画像スクレイピングはどのような業務に活用できる?
自動収集の価値は、画像と説明情報をセットで取得できる点にあります。画像だけを大量に保存するのではなく、後工程で検索、比較、分類できる形に整えることが重要です。
- EC調査:商品画像、商品名、価格、SKU、在庫情報を同時に収集する
- 自社サイトの資産確認:ページごとの画像URL、alt情報、掲載位置を一覧化する
- 不動産情報の整理:物件画像と賃料、所在地、間取りを対応付ける
- 競合ページの定期確認:取得日時と画像URLを保存し、ビジュアル変更の確認材料にする
- 画像分類:画像ファイルとカテゴリ情報を保存し、許可された範囲で分析に利用する
Octoparse MCP Serverを使えば、対応するAIアシスタントから自然言語でデータ収集を依頼するワークフローも構築できます。ただし、画像ファイルの保存先や対象サイトの仕様によって適した構成が異なります。詳しくはOctoparse MCP ServerとMCPの解説記事をご覧ください。
まとめ
画像スクレイピングを使えば、複数ページにある画像URLや画像ファイルを、商品名などの関連情報と一緒に収集できます。Octoparseでは、対象画像の選択、ページネーションやスクロールの設定、プレビュー確認、保存という流れでタスクを作成できます。
- 最初に画像URLと画像ファイルのどちらが必要か決める
- ロゴ、アイコン、縮小画像、重複URLが混ざっていないか確認する
- 2ページ目以降と遅延読み込み画像をプレビューで検証する
- 画像と商品IDなどの関連情報を同じ単位で取得する
- 利用規約、アクセス権限、著作権、アクセス負荷を確認する
まずは権限のある少数ページを対象に収集をテストし、取得結果と保存形式を確認してから対象範囲を広げてください。
画像スクレイピングに関するよくある質問
Q1. 画像スクレイピングは無料で試せますか?
A. Octoparse(オクトパース・オクトパス)には無料で始められる選択肢があります。ただし、ローカル実行、クラウド実行、取得件数などの利用条件は変更される可能性があります。利用前に、日本語版の料金ページで最新条件を確認してください。
Q2. 画像URLではなく、画像ファイル自体を保存できますか?
A. 利用中のOctoparseバージョンと実行方法が画像ファイルのダウンロードに対応していれば、画像ファイルをローカルへ保存できます。URLだけをエクスポートする設定とは異なるため、実行前に出力項目と保存先を確認してください。
Q3. 無限スクロールのページからも画像を取得できますか?
A. スクロール操作と待機時間を設定し、後から読み込まれる画像を表示させてから抽出します。ページ側の実装によって取得できる範囲は異なるため、本実行前にスクロール後の取得件数をプレビューで確認してください。
Q4. 取得した画像が小さい、または粗いのはなぜですか?
A. 一覧ページでは表示速度を上げるため、縮小画像を使うことがあります。詳細ページへのリンク、srcset、遅延読み込み用属性などに別の画像URLが設定されていないか確認してください。原画像へのアクセスや利用が許可されていることも事前に確認します。
Q5. CSSの背景画像も取得できますか?
A. CSSのbackground-imageは通常のimg要素と構造が異なるため、同じ選択方法では検出できない場合があります。対象ページの属性や読み込み方式を確認し、少数ページで取得可否を検証してください。
Q6. Webサイトの画像をスクレイピングするのは違法ですか?
A. 自動取得という技術だけで一律に判断することはできません。対象へのアクセス権限、サイトの利用規約、取得方法、サーバーへの負荷、画像の著作権、収集後の利用目的を個別に確認する必要があります。公開・転載・商用利用を行う場合は、必要な許諾を確認してください。
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