「API」をソフトウェア開発の現場で耳にした、あるいはWebサービスのサイトで目にしたという方は多いでしょう。昨今のシステム開発やWebサービスにおいて、APIは欠かせない技術となっています。
そこで今回は、APIが何か気になっている方に向けて、APIの仕組みやメリットなどをわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
APIとは
APIとは「Application Programming Interface」の略です。
直訳すれば「アプリ開発のインターフェース」となりますが、これでは少しわかりづらいので、さらに詳しく解説していきます。
APIは「ソフトウェア同士をつなぐインターフェース」
APIは、2つ以上の異なるソフトウェアをつなげたいときによく利用される技術です。
たとえば、あるWebサービスへ登録するにあたって「Googleアカウントで登録する」「Facebookで登録する」などのログイン機能を見たことはありませんか?
あまりに当たり前になっているので疑問に思ったことはないかもしれませんが、あるWebサービスとGoogleアカウントやFacebookは全く異なるサービスです。
それでもGoogleアカウントやFacebookなどを利用して他サービスにログインできるのは、それらがAPIを利用してつながっているからです。
つまり、APIとは他サービスが持つ機能の一部を、自サービスに組み込むための技術となります。
APIでソフトウェア同士がつながる仕組み
APIの仕組みは、デリバリーサービスに例えると理解しやすくなります。
<APIをデリバリーサービスに例えると…>
プロセス | お客(ユーザー) | お店(自ソフトウェア) | 配達員(API) | デリバリーサービス(他ソフトウェア) |
1 | デリバリーを注文する | 注文情報が届く | 料理を受け取るお店、配達先住所が届く | 注文情報が処理される |
2 | ー | 注文内容通りに作る | お店で料理を受け取る | ー |
3 | ー | ー | 料理を届ける | 配達データを処理する |
4 | 料理を受け取る | ー | 配達完了処理 | ー |
5 | ー | 配達完了通知を受信する | ー | 処理データを受信する |
デリバリーサービスを提供していないお店では、本来デリバリーを通じたお客との接点はありません。一方でデリバリーサービスが提供する配達員を使えば、デリバリーというお客との新しい接点を作り出せます。これがAPIの基本的な仕組みです。
APIを利用してできること
APIを利用してできることは多岐にわたります。
<一般的なAPIの使われ方>
・ログイン機能を組み込む
・最新情報を取り込む
・情報連携で利便性を高める
この他にも、APIにはさまざまな活用方法があります。たとえば後ほどご紹介するOctoparse(オクトパス)のAPIを利用すれば、Octoparseのアプリを起動せずにスクレイピングした大量データを自ソフトウェアに組み込めるようになります。
APIを利用するメリット
APIを利用するメリットは主に5つあります。それでは、APIのメリットを1つずつ解説していきます。
1. ソフトウェア開発の効率が上がる
ソフトウェアに搭載したい機能がAPIで公開されていれば、ゼロから開発する必要はないため開発効率が大きく上がります。しかも、大半のAPIは無料公開されているため、開発コストの削減にもなります。
2. 第三者のデータを利用できる
第三者データがAPIで公開されていれば、それを自ソフトウェアに組み込んだり、分析したりしてビジネスに利用できます。自社だけではまかなえない大量データを利用できれば、ビジネス促進に貢献するかも知れません。
3. セキュリティ対策を強化できる
著名なサービスが提供しているAPIには、高度なセキュリティ対策が施されています。そのため、独自に機能を開発するよりもAPIを利用する方が、セキュリティ対策を強化できるケースが少なくありません。
4. 情報が自動的に更新される
あるサービスの情報を自ソフトウェアで表示させたい場合、APIを利用すれば情報が自動的に更新されるため、逐一情報を確認して手作業で更新するなどの手間がなくなります。
5. ユーザーの利用満足度を向上できる
APIを利用し、より良いソフトウェア開発に取り組めばユーザーの利用満足度を向上できます。Webサービスならば新機能の開発スピードを速め、ユーザーに新しい価値を提供し続ける開発環境を整えられます。
最もよく使われているのは「Web API」
APIを大まかに分類すると、特定のプログラミング言語に対応したAPIと、Web上で広く公開されているWeb APIの2種類があります。近年最もよく使われているのはWeb APIです。
APIとWeb APIの違い
APIはソフトウェアやOS(Windows、Macなど)が持っている機能の一部を、自ソフトウェアに取り込む技術です。開発はクローズドな環境で行われるため、特定のプログラミング言語に対応しています。
一方、Web APIはWeb上で広く公開されるものであり、一般的にHTTPS通信を利用して機能の一部が提供されるため、特定のプログラミング言語に依存されません。よりオープンに利用されることから、近年ではWeb APIが主流となっています。
代表的なWeb API
世界中で利用されている代表的なWeb APIを3つご紹介します。
1.Google
Googleが提供するGoogle Maps APIを利用すれば、Google Mapの機能を組み込めます。マップ表示やルート検索などさまざまな機能を組み込めるので、何かと重宝するWeb APIです。
2.Amazon
Amazonが提供するWeb APIでは、Amazon.com上の商品情報を取得できます。Amazon APIを利用すれば在庫・注文情報、価格更新や商品イメージなどを簡単に手に入れられます。
3.Instagram
Instagram(並びにFacebook)が提供するGraph APIを利用すれば、SNS上からユーザーデータやフォロワー数、投稿コンテンツなどを取得できます。
Octoparse APIのご紹介
それでは最後に、Octoparseが提供するAPIについてご紹介します。
Octoparse(オクトパス)とは
Octoparseとは、Web上に存在するさまざまなデータを収集するWebスクレイピングツールです。
スクレイピングとは本来、Pythonなどのプログラミング言語を用いて実行する技術ですが、Octoparseを使えばノープログラミングで誰でも簡単にスクレイピングを実行できます。
Open API
OctoparseではOpen APIを提供しています。
Open APIを利用することで、クライアントを操作することなく、抽出データ(クラウド抽出データのみ)やタスク情報を取得・制御することができます。さらに、ユーザー独自のアプリケーションとのシームレスなデータ連携が可能です。
Octoparseを使ってスクレイピングした大量データをCRMやデータ可視化ツールに統合し、顧客分析やデータの視覚化をスムーズに行えるようになります。
Open APIを利用する場合、Octoparseのスタンダードプラン、またはプロフェッショナルプランの契約が条件となります。

Octoparse APIならデータ抽出を簡単に組み込める
Octoparse APIを利用すれば、Web上に存在するあらゆるデータにアクセスし、取得し、活用しやすい状態に整理した上で自ソフトウェアに大量データを取り込めます。
データドリブンなビジネスが重要とされている現在において、Octoparse APIがビジネスにもたらすインパクトは計り知れません。
Octoparse APIで手に入るのは単なるデータではなく、競合優位性や新しい付加価値を確立するための手段なのです。
APIは正しく賢く使い分けましょう
さまざまなAPIが提供されているからといって、あれもこれも利用する必要はありません。APIを利用し過ぎると、他サービスに対する依存性が高くなってしまいます。
そのため、「ユーザーが何を求めているか?」「ビジネス推進に何が必要か?」という本質部分を見極めた上で、最適なAPIを選ぶことが大切です。
とくにWeb APIは気軽に実装できる反面、不要なWeb APIまで利用してしまうリスクがあります。API利用時は正しく賢く使い分け、ソフトウェアやビジネスが持つ本来の目的を忘れないよう注意してください。
