logo
languageJPdown
menu

【初心者向け】APIとは?仕組み・種類・メリットをわかりやすく解説|具体例つき

約6分で読めます

現代のWebサービス開発では、他のサービスが提供する機能を取り込み、連携させる形でシステムを構築するケースが増えています。こうした連携を可能にするのが、API(Application Programming Interface)と呼ばれる仕組みです。

すべてを自前で開発するのではなく、既存のAPIを活用することで、効率的かつ高品質なシステムを構築できます。しかし、APIには複数の種類や設計方針があるため、正しい知識がないまま使うと非効率な実装につながるおそれもあります。

そこで本記事では、APIの基本から種類や仕組み、活用事例まで、Webサービス開発に携わるエンジニアが知っておくべき情報を網羅的に解説します。

1. 現代のWebサービス開発におけるAPI連携の重要性

Webサービス開発においてAPI連携が重要視される理由は以下の通りです:

  • 開発コストの削減: 既存のAPIを活用することで開発時間を大幅短縮
  • 品質の向上: 実績のあるAPIを使用することで信頼性の高いシステム構築が可能
  • スケーラビリティの確保: API連携により柔軟なシステム拡張が実現

2. APIとは?基本概念を徹底解説

2.1 APIの定義と役割

APIとは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)」の略称で、異なるソフトウェアやプログラムがデータや機能を共有するためのプログラミングインターフェースです。

APIを利用することで、異なるアプリケーション同士が互いに通信し、データをやり取りすることが可能になります。例えば、ECサイトのログイン時に「Googleアカウントでサインイン」と表示される機能や、Webページ内に地図情報を埋め込んで店舗の場所を表示する機能は、いずれもAPIを通じて外部サービスと連携しています。

API 仕組み,APIとは

2.2 API連携の具体例

Webサービス開発におけるAPI連携の代表的な例:

  1. 認証システムの連携: OAuth 2.0を使用したソーシャルログイン
  2. 決済システムの統合: Stripe、PayPalなどの決済API
  3. 地図サービスの組み込み: Google Maps APIによる位置情報表示
  4. SNS機能の実装: X (旧Twitter)、Instagram APIによるソーシャル機能

3. APIの種類と特徴:Webサービス開発での選択指針

APIは、その実行環境や用途によって、いくつかの種類に分類されます。どのAPIを選択するかによって、Webサービス開発におけるシステムの設計や拡張性に大きな影響が出ることもあります。

3.1 主要なAPI種類の比較表

種類用途特徴適用場面
Web APIブラウザやWebアプリとの通信HTTP経由で通信。公開性が高く、汎用性がある外部サービス連携、データ取得
ネイティブAPIOSやデバイスの制御WindowsやAndroidなど、特定の環境でしか使えないが操作範囲が広いモバイルアプリ開発、デバイス制御
ランタイムAPIプログラムの実行中の機能呼び出し実行中に処理内容を切り替えられる高度な動的処理、フレームワーク開発

3.2 Web API:Webサービス開発の中核技術

Web APIは、インターネットを通じて外部サービスと連携するためのAPIで、現代のWebサービス開発において最も重要な技術の一つです。多くのWeb APIはHTTP通信を通じてアクセスでき、GETやPOSTなどのリクエストに対してJSON形式などでデータを返します。

3.2.1 代表的なWeb APIの例

Webサービス開発でよく使用されるWeb API:

  • Google Maps API: 地図機能の組み込み
  • Amazon SP-API: EC連携、在庫・注文情報の管理
  • Instagram Graph API: SNS連携、ユーザーデータの取得

関連記事:Amazonから製品データ取得する3つの方法を紹介!

3.3 ネイティブAPI:プラットフォーム固有の機能制御

ネイティブAPIは、OSやデバイスを操作する際に利用するAPIです。Webサービス開発においても、モバイルアプリやデスクトップアプリケーションとの連携で重要な役割を果たします。

3.3.1 主要なネイティブAPI

  • Android API: カメラ、センサー、ファイルアクセス機能
  • Windows API: ファイルシステム、ウィンドウ操作、デバイス制御
  • Core Location API (iOS): GPS情報取得、位置情報サービス

3.4 ランタイムAPI:動的処理の実現

ランタイムAPIは、プログラムの実行中に特定動作の変更を行うAPIです。Webサービス開発における高度な動的処理や、フレームワークの内部実装で活用されます。

代表例として、JavaのReflection APIや.NET Runtime APIが挙げられます。

参考:【必見】こんなとこにもAPI⁉APIの可能性とは

4. Web APIの設計方式:Webサービス開発での選択基準

Webサービス開発においてAPIを選択・設計する際は、通信方式の設計が極めて重要になります。ここでは、代表的な設計方式であるREST、GraphQL、SOAPについて、Webサービス開発の観点から解説します。

4.1 RESTful API:最も普及している設計方式

RESTful API(Representational State Transfer)は、Web APIの設計方式として最も広く採用されている手法で、Webサービス開発の標準的なアプローチとなっています。

4.1.1 RESTful APIの特徴

  • シンプルな構造: HTTPの仕組みを活用した直感的な設計
  • リソース指向: データを「リソース」として扱う明確な概念
  • HTTP メソッドの活用: GET・POST・PUT・DELETEによる操作の標準化

Webサービス開発におけるRESTful APIの実装例:

# 商品一覧取得
GET /api/products

# 新商品登録
POST /api/products

# 商品情報更新
PUT /api/products/123

# 商品削除
DELETE /api/products/123

4.2 GraphQL API:柔軟なデータ取得を実現

GraphQLは、クエリ言語を利用してクライアント側が必要とするデータだけを柔軟に取得できるWeb APIの設計方式です。Webサービス開発において、特にフロントエンドとの連携で威力を発揮します。

4.2.1 GraphQLのメリット

  • 効率的なデータ取得: 必要な項目のみを指定して取得
  • 通信量の最適化: 不要なデータの受信を回避(オーバーフェッチング/アンダーフェッチングの解決)
  • 型安全性: スキーマベースの開発による品質向上

4.3 SOAP API:エンタープライズ向けの堅牢な設計

SOAP API(Simple Object Access Protocol)は、XML形式を用いて通信を行うWeb APIの設計方式で、Webサービス開発において高いセキュリティと信頼性が求められる場面で活用されます。主に金融機関や公共システムなど、堅牢性が最優先されるエンタープライズ環境で利用されてきました。

5. APIのメリット&デメリット

APIメリット,APIデメリット

5.1 APIのメリット

Webサービス開発においてAPIを活用することで得られる主要なメリットは以下の通りです。

  • 開発効率の向上
    APIを利用することで、既存の機能を再利用することができ、ゼロから開発する必要がなくなります。これにより、開発時間とコストを大幅に削減することができます。例えば、支払い処理やユーザー認証などの一般的な機能は、多くのAPIにて提供されており、自社で一から開発するよりも効率的に導入できます。
  • 機能の拡張性
    APIを導入しておくことで、サービスローンチ後も外部システムと連携しながら機能を柔軟に拡張できます。例えば、当初はメール通知機能しかなかったサービスに、後からチャットボットAPIを追加してLINEやSlack連携を実装する、といった拡張が可能です。
  • リアルタイムなデータ活用
    APIを通じて外部から最新の情報を取得できるため、常にリアルタイムのデータをサービス上で活用できます。例えば、為替レート、在庫数、交通情報など、リアルタイムに変化する情報を自動的に取得し、ユーザーに最新の状態を提示できます。

5.2 APIのデメリットと対策

Webサービス開発におけるAPI利用時の注意点と、その対策について解説します。

5.2.1 セキュリティリスクの管理

APIは外部との通信を前提としているため、適切な認証や暗号化の実装が必須です。Webサービス開発においては、以下の対策が重要です。

  • OAuth 2.0による認証の実装: 安全な認可フローを導入する。
  • HTTPS通信の強制: 通信経路を暗号化し、盗聴を防ぐ。
  • レート制限の設定: DoS攻撃などの過剰なリクエストからサーバーを保護する。
  • APIキーの適切な管理: キーを安全に保管し、定期的にローテーションする。

5.2.2 外部依存リスクの軽減

提供者側のAPI仕様変更やサービス停止は、自社システムに直接影響を及ぼします。このリスクを軽減するための対策は以下の通りです。

  • APIバージョニングの活用: API提供者がバージョニングをサポートしている場合、特定のバージョンに固定して利用する。
  • 複数のAPIプロバイダーの検討: 重要な機能については、代替となるAPIを調査しておく。
  • フォールバック機能の実装: APIが利用できない場合に備え、代替処理やエラーメッセージ表示などの機能を実装する。

6. APIの活用事例

APIは、サービス間のデータ連携を可能にする仕組みとして、さまざまな分野で活用されています。最後に、代表的なAPIの具体的な役割と機能について紹介します。

6.1 SNS連携:マーケティング効果の最大化

Webサービス開発において、SNS連携は重要な機能の一つです。企業やマーケターにとって、SNS関連のAPIはユーザー動向の把握やプロモーション施策の実行に不可欠なツールとなっています。

関連記事:マーケティングでも使える!SNS情報自動収集ツール5選

6.1.1 主要なSNS API

  • X API: 指定キーワードを含む投稿の収集、自動ポスト機能
  • Instagram Graph API: フォロワー数推移、エンゲージメント情報の取得
  • Facebook Graph API: ページ管理、広告配信データの取得

6.2 決済システム連携:安全な金融処理の実装

Webサービス開発において、外部の決済サービスとの連携により、複雑な金融処理を自社で実装することなく、安全かつ効率的な決済機能を導入できます。

6.2.1 代表的な決済API

  • Stripe API: 決済処理、返金処理、定期課金、領収書自動発行
  • PayPal API: 購入ボタン生成、決済完了通知の制御
  • Square API: 店舗決済、在庫管理との連携

6.3 AI・機械学習API:高度な分析機能の実装

Webサービス開発において、AI・機械学習モデルをAPI経由で利用することで、専門知識を要した複雑な分析や予測処理をシンプルに実装できます。

関連記事:YouTubeコメントをスクレイピングで自動取得する方法

6.3.1 主要なAI API

  • Google Cloud Vision API: 画像からの文字・物体検出
  • Amazon Rekognition: 顔認識、動画解析
  • OpenAI API: 自然言語処理、テキスト生成

7. スクレイピング

最近では、API とスクレイピングを組み合わせて、必要なデータを漏れなく取得する「ハイブリッド型」のデータ活用が主流になりつつあります。
ここからは、API では取得できない情報を補完する手段として重要なスクレイピングについて紹介します。

業務で外部データを活用する場合、スクレイピングAPIを活用すると効果的にデータ収集が可能となります。従来のスクレイピングツールは、単体で動かす用途が中心でしたが、スクレイピングAPIを利用することで、情報の取得とその後の処理を他システムに組み込む形で自動化できます。

例えば、商品価格の収集APIを在庫管理システムと連携すれば、競合価格に応じた価格調整や通知処理が可能になります。あるいは、ニュース記事や求人情報の収集結果を、社内のBIツールやダッシュボードにリアルタイムで反映させることも実現できます。

本記事を公開しているOctoparseも、GUIでのスクレイピングだけでなく、取得データを外部システムと連携するためのOpen APIを提供しています。Open APIを活用することで、収集したデータの定期取得や、他の業務アプリケーションと組み合わせた自動処理が可能となります。

人気NO.1テンプレート:

https://www.octoparse.jp/template/google-maps-advanced-scraper

まとめ

APIはシステム間の連携や自動化を実現する手段として、多くの業務領域で活用されています。設計方式や種類の違いを理解したうえで、自社の要件に合ったAPIを選定しましょう。

一方で、セキュリティやコスト、外部依存といったリスクも伴うため、運用体制に注意が必要です。

APIに関する技術動向やサービス仕様は常に変化しており、一度選んだAPIも見直しや再評価が必要になる場面があります。自社の要件や運用体制に合わせて、必要な情報を常にキャッチアップし、柔軟に対応できる設計と運用を目指しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1: Webサービス開発でAPIを選ぶ際の基準は?

A: Webサービス開発でAPIを選択する際は、以下の基準を総合的に考慮してください:

  • 機能要件: 必要な機能が提供されているか
  • パフォーマンス: レスポンス時間とスループット
  • セキュリティ: 認証方式と暗号化レベル
  • コスト: 利用料金と従量課金の仕組み
  • サポート: ドキュメントの充実度とサポート体制

Q2: API連携でセキュリティを確保する方法は?

A: API連携におけるセキュリティ確保のベストプラクティスは以下の通りです:

  • 認証の実装: OAuth 2.0、JWT トークンの活用
  • 通信の暗号化: HTTPS通信の強制
  • アクセス制御APIキーの適切な管理とローテーション
  • レート制限: DoS攻撃対策としてのリクエスト制限

Q3: REST APIとGraphQLの使い分けは?

A: Webサービス開発における使い分けの指針は以下の通りです。

REST APIが適している場面:

  • シンプルなCRUD操作が中心の場合
  • キャッシュ戦略が重要な場合
  • チーム全体のスキルレベルを考慮し、広く普及した技術を採用したい場合

GraphQLが適している場面:

  • クライアントごとに必要なデータ構造が大きく異なる場合
  • モバイルアプリなど、通信量を最小限に抑えたい場合
  • フロントエンドの開発効率を重視する場合

ウェブサイトのデータを、Excel、CSV、Google Sheets、お好みのデータベースに直接変換。

自動検出機能搭載で、プログラミング不要の簡単データ抽出。

人気サイト向けテンプレート完備。クリック数回でデータ取得可能。

IPプロキシと高度なAPIで、ブロック対策も万全。

クラウドサービスで、いつでも好きな時にスクレイピングをスケジュール。

クリックだけでウェブ データを取得
無料ダウンロード

人気記事

トピックを検索する

今すぐOctoparseを始めて、業務効率化を実現しましょう。

ダウンロード

関連記事