「どのWebスクレイピングツールを選べばいいか分からない」——そう感じる方が多い背景には、ツールの種類が多様化しすぎていることがあります。クラウド型・Chrome拡張・インストール型・RPA・AIと、2026年現在では5つのタイプが存在し、それぞれ得意なことが全く異なります。
本記事では、Webスクレイピングツールを「技術タイプ」で分類し、自分のスキル・規模・目的に合う1本が見つかるよう整理します。Webスクレイピングの仕組みや基礎知識についてはWebスクレイピングとは?基礎から実装までで詳しく解説しています。また、EC価格・営業リスト・求人など業種別・取得データ別でツールを選びたい方はデータスクレイピングツールの業種別比較も参考にしてください。
Webスクレイピングツールとは?
WebスクレイピングツールとはWebサイト上の情報を自動的に抽出するソフトウェアです。指定URLにアクセス→HTML解析→データ出力という流れで動作し、手作業では何時間もかかる情報収集を数分で完了させます。
仕組みの詳細・PythonによるWebスクレイピングの実装方法についてはWebスクレイピングとは?仕組みと実装を詳しく解説をご覧ください。本記事では「どのツールを選ぶか」に特化して解説します。
スクレイピングツール導入で得られる3つのメリット
メリット1:データ収集にかかる時間を大幅に短縮
手作業で1時間かかっていた情報収集が、スクレイピングツールを使えばわずか数分で完了します。日常的にWebサイトの価格調査や競合チェック、営業リスト作成をしている方にとって、この時間短縮のインパクトは大きいでしょう。浮いた時間を分析や企画といった本来注力すべき業務に回すことができます。
メリット2:人的ミスを防ぎ、データの正確性を確保
手作業でのコピー&ペーストでは、見落としや転記ミスが避けられません。スクレイピングツールなら、設定どおりのルールで一貫してデータを取得するため、ヒューマンエラーが発生しません。特に大量のデータを扱う場面では、正確性の違いが業務品質に直結します。
メリット3:定期実行で情報を常に最新に保てる
多くのスクレイピングツールには、データ取得の定期実行(スケジュール機能)が備わっています。たとえば「毎朝9時に競合10社の価格を自動チェックして、スプレッドシートに反映する」といった運用が可能です。常に最新の情報に基づいた意思決定ができるようになります。
導入前に知っておくべき注意点
スクレイピングツールは強力な業務効率化手段ですが、使い方を誤るとトラブルにつながる可能性もあります。以下の3点は、導入前に必ず確認しておきましょう。
利用規約とrobots.txtの確認は必須
Webサイトによっては、自動的なアクセスやデータ取得を利用規約で禁止している場合があります。また、robots.txtというファイルでクローラーのアクセスを制限しているサイトもあります。スクレイピングを実行する前に、対象サイトのルールを必ず確認してください。
サーバーへの負荷に配慮する
短時間に大量のリクエストを送ると、対象サイトのサーバーに過度な負荷をかけてしまいます。リクエスト間隔は最低でも1秒以上空けることが推奨されており、大規模な取得を行う場合はさらに余裕を持った設定が必要です。ブロックされた際の対処法はスクレイピングブロックの原因と回避方法で詳しく解説しています。
取得データの利用範囲を意識する
スクレイピングで取得したデータの利用にも注意が必要です。個人的な調査や社内分析であれば問題になるケースは少ないですが、取得データを商用目的で再配布する場合は著作権法や個人情報保護法に抵触する可能性があります。
Webスクレイピングツール5つのタイプと選び方
2026年現在、Webスクレイピングツールは主に5つのタイプに分類できます。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の業務に合ったものを選びましょう。
| タイプ | 概要 | メリット | デメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| クラウド型ノーコード | ブラウザ上で設定、クラウドで実行 | インストール不要、PCオフでも取得可、大規模対応 | 月額コストが発生する場合あり | プログラミングなしで本格運用したい人 |
| Chrome拡張機能型 | ブラウザに追加して使用 | 導入が簡単、閲覧中のページをそのまま取得 | 大量取得・定期実行は不得意 | 少量のデータをすぐ取りたい人 |
| インストール型 | PCにソフトをインストール | 処理速度が速い、大量データに強い | PC依存、常時起動が必要 | 大規模データを高速処理したい人 |
| RPA型 | 業務プロセス全体を自動化 | データ取得後の加工・通知まで自動化可 | スクレイピング単体で使うにはオーバースペック | データ収集だけでなく後工程も自動化したい人 |
| AI搭載型(2026年注目) | AIがページ構造を自動解析 | 設定不要でレイアウト変更にも追従 | AI処理分の遅延、まれに誤抽出 | 技術知識ゼロで始めたい人 |
選び方の基本指針:まず「どの程度のデータ量を、どのくらいの頻度で取得したいか」を明確にしてください。少量&単発ならChrome拡張機能で十分。定期的に数百〜数千件を取得するならクラウド型。データ取得後の加工やシステム連携まで自動化したいならRPA型が適しています。
【タイプ別】おすすめWebスクレイピングツール12選
■ クラウド型ノーコードツール
1. Octoparse(オクトパース)
【概要・特徴】
Octoparseは、全世界で600万人以上が利用するクラウド型のWebスクレイピングツールです。最大の特徴はWebページの自動識別機能(Auto-detect)。URLを入力するだけでページ構造を解析し、取得すべきデータを自動で検出します。XPathやCSSセレクタの知識がなくても、マウス操作だけでスクレイピングの設定が完了します。Auto-detect機能の詳細と使い方は公式ヘルプセンターで確認できます。

Amazon・楽天・Googleマップ・X(旧Twitter)・食べログなど主要サイト向けの600種以上のスクレイピングテンプレートが豊富に用意されており、パラメータを入力するだけで即座にデータ収集を開始できます。2026年に追加されたMCP AI機能では、AIエージェントとの連携によるインテリジェントなデータ取得も実現しています。
クラウド上で24時間スケジュール実行でき、IPローテーション対応でアクセスブロックも回避。取得データはCSV、Excel、JSON、APIでの出力に対応。日本語UIと日本語サポートを完備しています。
【料金】Free(無料)/ Standard $119/月 / Professional $299/月 / Enterprise(問い合わせ)
※14日間の無料トライアルあり
【公式サイト】https://www.octoparse.jp/
2. 80legs
【概要・特徴】
80legsはカスタムWebクロールに対応したクラウド型スクレイピングツールです。無料プランでもクロール回数に制限がなく、1回のクロールで最大10,000URLを処理できるため、試験的なデータ収集から始めたい場合に便利です。大規模なデータ取得に強みを持つ一方、UIは英語のみで操作画面もシンプルなため、ある程度のWeb知識がある方に向いています。

【料金】Free(無料)/ 有料プランあり(公式サイトで確認)
【公式サイト】https://80legs.com/
3. Crawly
【概要・特徴】
CrawlyはURLを入力するだけで構造化データを自動抽出できるシンプルなクラウド型スクレイピングツールです。細かい設定は不要で、抽出したデータはJSON・CSV形式で保存できます。初めてスクレイピングを試す方や、シンプルな構造のサイトからデータを取得したい場合に適しています。
【料金】無料
■ Chrome拡張機能型
4. Web Scraper
【概要・特徴】
Web ScraperはChromeの拡張機能として動作する無料のWebスクレイピングツールです。サイトマップを作成してスクレイピング対象を定義する仕組みで、ページネーション・ドロップダウン・ログインページにも対応しています。抽出データはCSVまたはJSON形式でエクスポートでき、Web Scraper Cloud(有料)を使えばクラウドでの定期実行も可能です。
【料金】無料(基本機能)/ Web Scraper Cloud $50/月〜
【公式サイト】https://webscraper.io/
5. Listly
【概要・特徴】
ListlyはChromeとEdgeに対応したWebスクレイピング拡張機能です。Webページ上のリスト状データをワンクリックで取得し、Excelやスプレッドシートに直接出力できます。ECサイトの商品一覧や、不動産サイトの物件リストなど、繰り返し構造のデータ収集に特に適しています。日本語サイトでも問題なく動作します。
【料金】Free / Pro(有料)
【公式サイト】https://www.listly.io/
■ インストール型
6. ParseHub
【概要・特徴】
ParseHubは、インタラクティブマップ・カレンダー・無限スクロール・JavaScript・Ajaxなど複雑なWebページのデータを視覚的に抽出できるインストール型ツールです。Windows・Mac・Linuxに対応したデスクトップクライアントのほか、ブラウザ内Webアプリとしても利用できます。無料プランとカスタム法人プランも提供されています。
【料金】Free(5プロジェクト・200ページまで)/ Standard $189/月〜
【公式サイト】https://www.parsehub.com/
7. WebHarvy
【概要・特徴】
WebHarvyは、軽量でビジュアルなポイント&クリック式のWebスクレイピングツールです。各種Webサイトからテキスト・URL・画像を抽出でき、CSV・Txt・XML・SQLなどの形式でデータを保存できます。プロキシサーバー/VPNにも対応しており、匿名でのスクレイピングが可能です。Windows環境でシンプルに使いたい方に向いています。
【料金】ライセンス制($129〜)、無料プランなし
【公式サイト】https://www.webharvy.com/
■ RPA型
8. Coopel
【概要・特徴】
Coopelは、日本語インターフェースで使えるRPA型のWeb自動化ツールです。Chrome拡張機能として動作し、Webサイトの操作手順を記録して自動化できます。スクレイピングだけでなく、フォーム入力やクリック操作なども自動化可能で、収集データをそのまま別のシステムに連携するワークフロー構築に向いています。日本国内のビジネスシーンを想定した設計が特徴です。
【料金】Free / 有料プランあり
【公式サイト】https://coopel.ai/
9. Power Automate(Microsoft)
【概要・特徴】
Power AutomateはMicrosoftが提供するRPAプラットフォームです。「UI flows」機能を使えばWebブラウザの操作を録画・再生してデータ収集を自動化できます。Microsoft 365との深い統合により、収集したデータをExcel・SharePoint・TeamsなどMicrosoft製品に直接連携できる点が強みです。社内でMicrosoft環境を使っている場合、追加コストなしで利用できるケースもあります。
【料金】Microsoft 365プランに含まれる場合あり / 単体プランあり
【公式サイト】https://powerautomate.microsoft.com/ja-jp/
10. UiPath
【概要・特徴】
UiPathはエンタープライズ向けRPAの世界標準ツールです。WebスクレイピングはUiPathの機能の一部であり、取得したデータをそのまま基幹システムや社内DBへ連携する大規模自動化に強みがあります。スクレイピング専用ツールと比較してセットアップコストはかかりますが、既にUiPathを業務自動化に使っている企業には自然な選択肢です。
【料金】Community版(無料)/ Enterprise版(問い合わせ)
【公式サイト】https://www.uipath.com/ja/
■ AI搭載型(2026年注目)
11. Thunderbit
【概要・特徴】
ThunderbitはAIによる自動ページ解析を特徴とするChrome拡張機能型のスクレイピングツールです。収集したいデータの種類を自然言語で指定するだけでAIが適切な抽出設定を自動生成します。従来のスクレイピングツールで必要だったCSSセレクタやXPathの設定が不要で、設定の手間を大幅に削減します。2025〜2026年に急成長しているAI型ツールの代表格です。
【料金】Free / Pro $19/月〜
【公式サイト】https://thunderbit.com/
12. ShtockData
【概要・特徴】
ShtockDataは日本株・米国株のデータ収集に特化したデータ取得サービスです。APIと組み合わせることで、株価・財務指標・決算情報などの金融データを構造化された形式で自動取得できます。汎用のスクレイピングツールではなく金融データに特化している分、取得精度と更新頻度が高い点が強みです。
【料金】プランにより異なる(公式サイトで確認)
💡 「取得するデータの種類(EC価格・営業リスト・求人・不動産)」でツールを選びたい方へ
日本語サイト別の取得フィールド一覧・テンプレート付きの選び方ガイドはデータスクレイピングツールの業種別比較記事で詳しく解説しています。
12ツール一覧比較表
| ツール名 | タイプ | コーディング | 無料プラン | 日本語対応 | クラウド実行 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Octoparse | クラウド型ノーコード | 不要 | ✅ | ✅ UI・サポート | ✅ | 初心者〜中級者・日本語対応希望 |
| 80legs | クラウド型 | 一部必要 | ✅ | ❌ | ✅ | 大規模クロール・API連携 |
| Crawly | クラウド型 | 不要 | ✅ | ❌ | ✅ | シンプルな試し取得 |
| Web Scraper | Chrome拡張 | 不要 | ✅ | ❌ | △有料 | ブラウザで手軽に収集 |
| Listly | Chrome拡張 | 不要 | ✅ | ✅ | ❌ | Excel/スプレッドシート出力重視 |
| ParseHub | インストール型 | 不要 | ✅ 制限付 | ❌ | ✅ | 動的ページ・複雑サイト対応 |
| WebHarvy | インストール型 | 不要 | ❌ | ❌ | ❌ | Windows環境・シンプル収集 |
| Coopel | RPA型 | 不要 | ✅ | ✅ | ❌ | 日本語RPA・収集後ワークフロー |
| Power Automate | RPA型 | 不要 | △M365依存 | ✅ | ✅ | Microsoft環境との連携 |
| UiPath | RPA型 | 不要 | ✅ Community | ✅ | ✅ | エンタープライズ・基幹連携 |
| Thunderbit | AI搭載型 | 不要 | ✅ | ❌ | ❌ | 自然言語で設定・設定ゼロ志向 |
| ShtockData | 特化型 | 一部必要 | △ | ✅ | ✅ | 日本株・金融データ専門 |
2026年注目:AIスクレイピングという新潮流
2026年のWebスクレイピングツールで最も注目すべき変化が「AI化」です。従来のツールは人がCSSセレクタやXPathで「取得ルール」を設定する必要がありましたが、AI搭載型ツールではAIがページ構造を自動解析し、設定なしでデータを取得できるようになっています。
さらに進んだ形がMCP(Model Context Protocol)を使ったAIエージェント連携です。OctoparseのMCPサーバーを使えば、ChatGPT・Claude・CursorなどのAIアシスタントがWebスクレイピングを直接実行し、データ収集→分析→レポート生成までを一気通貫で自動化できます。「競合3社の価格を毎日取得して変動をグラフ化して」といった指示を自然言語で与えるだけで、AIが自律的にタスクをこなします。
MCPの仕組みや活用方法については「OctoparseのMCPとは?」解説記事で、設定手順はMCP公式チュートリアルで確認できます。AIスクレイピングの最新トレンド全体についてはAIとWebスクレイピングの最新動向もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. Webスクレイピングツールはどのタイプから始めればいいですか?
初めての方には「クラウド型ノーコード」のOctoparseがおすすめです。インストール不要・無料プランあり・日本語サポート付きで、プログラミングの知識がなくても今日から使えます。Chrome拡張機能型(Web Scraperなど)は導入が最も簡単ですが大量取得には向きません。自分に合うタイプの詳細は5タイプ別選び方をご参照ください。
Q2. プログラミングの知識がなくてもスクレイピングツールは使えますか?
はい、使えます。Octoparse・Web Scraper・Listlyなど、コーディング不要のGUIツールを使えば、ブラウザ上でクリック操作するだけでデータを抽出できます。OctoparseはさらにAIによるWebページ自動認識機能を搭載しており、初心者でも数分でWebスクレイピングを開始できます。
Q3. スクレイピングは違法ですか?
Webスクレイピング自体は違法ではありません。ただし各サイトの利用規約・robots.txtを確認することが必須です。著作物の無断転載や個人情報の収集は法的問題になり得ます。詳しくはスクレイピングに関するよくある法的誤解をご参照ください。
Q4. クラウド型とインストール型、どちらがいいですか?
定期実行・大規模収集・PC電源を切っても動かしたい場合はクラウド型が優位です。インストール型はPCが動いている間しか動作しませんが、ローカル処理のため大量データの高速処理に向いています。Octoparseはどちらのモードにも対応しており、用途に合わせて切り替えられます。
Q5. AIスクレイピングツールと従来ツールの違いは何ですか?
従来ツールは「人がルールを設定してデータを取得する」のに対し、AI搭載型は「AIがページ構造を自動解析・追従する」点が異なります。サイトレイアウトが変わっても設定し直す必要がほとんどなく、自然言語でデータ収集を指示できます。Octoparse MCPを使えばAIエージェントに直接指示することも可能です。AIスクレイピングの最新動向もあわせてご覧ください。
まとめ:現場で本当に使えるWebスクレイピングツールの見極め方
2026年のWebスクレイピングツール選びは、「何のデータをどのくらいの頻度で取るか」と「自分のスキルレベル」の2軸で絞り込むのが最も効率的です。本記事で紹介した5タイプの分類を参考に、まず候補を2〜3本に絞ってから無料トライアルで試してみることをおすすめします。
ツール選びに迷ったら、まずコーディング不要・無料プランあり・日本語サポート対応のOctoparse(オクトパース)から始めてみてください。14日間の無料トライアルで、実際の使い心地を確かめてみてください。
なお、ツールの技術タイプではなく「EC価格調査・営業リスト生成・求人市場分析・不動産相場調査」など取得するデータの種類から選びたい場合は、データスクレイピングツールの業種別比較もあわせてご活用ください。
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MCP対応でAIエージェントと連携。収集データをAIに渡して分析・活用まで一気通貫
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